口の中やあごの骨、顎関節のことを口腔といいます。
口腔は上下のあごの骨、上下の歯列、歯ぐき、ほお、口唇、唾液腺、筋肉などのさまざまな神経や筋肉で構成されています。口腔外科では、これらの部位におこるさまざまな病気の治療をおこないます。
一般歯科では治療が困難な埋伏歯の抜歯や額関節の異常、あごの骨折の整復など広範囲にわたる治療が、口腔外科で可能になるのです。
顎関節症とは、あごが痛い、口が開けづらいなどの症状がおこる慢性的な疾患のことです。
歯ぎしり、かみ合わせの悪さ、寝相など、原因や状態もさまざまです。
顎関節症の症状に悩む方は、二十歳前後から三十代の女性が比較的多くみられ、ストレスや緊張など心理的要因が関係するとも考えられています。また、親知らずが生えることであごのバランスが崩れ、顎関節症になることもあります。
歯の一番奥に生えてくる歯を「親知らず」といいます。
親知らずがきちんと真っ直ぐに生えている場合は問題ありませんが、多くの場合、あごに十分なスペースがないため、埋まったままであったり、歪んで生えてきたりします。そのため、手前の歯が圧迫され歯並びが乱れてしまったりします。
また、一番奥で、歯ブラシで磨きにくい場所であるため、虫歯や歯周病になりやすい傾向にあります。
「親知らず」は、悪い影響を与える傾向にあるため、抜歯をすることが多くあります。
口の中にできる「でき物」で、一般的に一番多い「口内炎」は、小さくても痛みを伴うことが多く、食事を取り辛くなる、しゃべりにくくなるなど、生活にきな影響を与えます。
また、注意が必要なのが、口内炎ではなく、舌や歯ぐきの癌、口腔癌による潰瘍です。口腔癌は痛みがないのが特徴です。口内炎と判断せず、少しでも不安を感じられたら、口腔外科で治療することをおすすめします。
舌が痛い、舌にできものがある、舌に斑点がある、味がおかしい、このようなことはありませんか。
舌の病気も口腔外科が専門です。舌の病気を正確に診療するには、専門的な検査を行う必要があります。
また、舌の汚れである「舌苔(ぜったい)」は、舌の表面に付いている白っぽいものをいいます。
これは、歯につく歯垢と同じもので、口臭の原因にもなります。舌クリーナー(舌ブラシ)やマウスウォッシュなどでケアすることができます。